『Emily in Paris』には、日常会話でよく使われるのに、学校の教科書では詳しく教えてくれない英語表現や特有のニュアンスなどがたくさんあります。
今回取り上げるのは、シカゴ出身のEmilyが放ったこのセリフ。
“That is our specialty. We take a lot of pride.”
教科書では take pride in 〜(〜に誇りを持つ)と習うはずですが、なぜEmilyは後ろの in を省略して言い切ったのでしょうか?
そして、なぜ be proud of ではなく、わざわざ take を使ったのでしょうか?
実はこの短いセリフには、Emilyのシカゴ人としての思いが凝縮されているのです。
この記事では、take pride が持つネイティブの価値観、学校では教えてくれない be proud of との決定的な違いを分かりやすく紹介します。
日常でも使えそうな英語表現を一緒に学びましょう!
Emily in Paris のシチュエーション
昔シカゴでディープディッシュを食べた(I was in Chicago once, and I ate the deep-dish pizza. )と
創業者のブロサール氏に言われ、Emily が放つのがこの一言。
“That is our specialty. We take a lot of pride.”
(それは私たちの自慢の料理なの。(すごく誇りに思っている))
シカゴのディープディッシュピザは、単なる食べ物ではなく歴史が詰まったカルチャー。
地元愛が強めなエミリーが放つこのフレーズについて詳しく次の章で説明していきます。
We take a lot of pride (in ~) の意味
✔️ 基本の意味:日本語の「プライド」とは大違い!英語のprideが持つ意味
日本語の「プライド」って、「プライドが高い」や「無駄なプライド」みたいに、ネガティブなニュアンスで使われることが多いですよね。
私も最初は「英語で I take pride in… なんて言ったら、自慢っぽく聞こえたり、プライドが高そう、偉そうに聞こえたりしないのかな?」と少し躊躇していました。
ですが、日本語のイメージとは違い、関わっているものへの深い愛着とリスペクトの意味があります。
単に take pride だけでも十分伝わりますが、“a lot of” が加わることですごく誇りに思っていて大切にしている本気度が伝わってきます。
彼女の言葉から地元の文化を大切に想い、おすすめしたいと気持ちとローカル愛の強さが伝わってきますね。笑
✔️ なぜ後ろの “in” がなくてもいいか
文法的には、take pride in + [名詞 or 動詞-ing] という形で「〜に(の中に)誇りを持つ」と後ろに対象を続けるのが本来の標準的なルールです。
Emilyのセリフであれば、本来は We take a lot of pride in our pizza(私たちのピザに誇りを持っている) となります。
ですが、ネイティブの日常会話では、直前の会話から「何について話しているか(今回の場合はシカゴピザについて)」が100%分かっている場合、後ろの in 〜 はよく省略されます。
英語は短縮や省略などが多いので、難しく感じてしまうところですよね。
例文で説明すると、、、
A: Wow, your garden is absolutely stunning!
(あなたたちの庭、本当にめちゃくちゃ綺麗ね!)
B: Thanks! My parents take a lot of pride (in their garden).
(ありがとう!両親が(庭の手入れに)ものすごいこだわりと愛情を注いでいるの。)
本来なら in their garden(彼らの庭に)が続きますが、目の前に綺麗な庭があり、その話をしているのは確実なので省略されると言うことです。
be proud of と take pride in の違い
どちらも日本語では「誇りに思う」と訳されますが、そのニュアンスと使われるシチュエーションが違います。
2つの違いを例文と一緒に表にまとめたものがこちらです。
| 表現 | ニュアンス | 例文 |
| be proud of | 湧き上がる「感情」 (結果に対して「嬉しい!」と思う) | “I’m so proud of you!” (テストで100点取った子供に「すごい!お母さん誇らしいよ!」) |
| take pride in | 自ら育む「姿勢・努力」 (愛着を持って日々こだわり抜く) | “I take pride in my work.” (職人さんが「自分の仕事には、強いこだわりとリスペクトを持っています」) |
上記の表を見てみると、ネイティブの頭の中では「お祝い」と「職人魂」くらいに言葉の温度感が違います。
💡 ここがポイント!
① be proud of は「お祝い」のニュアンス
家族や友達が何かを達成したときに、「よくやったね!こっちまで嬉しくなっちゃうよ!」と、湧き上がる嬉しい感情を伝える言葉です。
② take pride in は「職人魂」のニュアンス
動詞の take(自らつかみ取る、引き受ける) に注目してみてください。
人から褒められて喜ぶ(受動的な)ニュアンスではなく、「自分が大好きなものだからこそ、誰に言われなくても、毎日手を抜かずにクオリティを守り続けるぞ」という能動的で強い「姿勢」を表します。
- 誰に言われずとも、高い基準でこだわり抜く
- 自分の大好きなものにリスペクトを持ち、毎日コツコツ手入れを続ける
こうした「自発的なこだわりとあふれる愛着」take という能動的な言葉に含まれています。
Emilyがbe proud of ではなく、わざわざ take pride を選んだ理由がまさにここです。
ただ「シカゴピザってすごいでしょ!」と自慢したいわけではなく、「私たちが愛着とリスペクトを持って守り続けている大切な文化」という、作り手たちの熱い「職人魂」の姿勢を伝えたかったからと言うことになります!
take pride in が自然に使えるシーン別まとめ
でも日常的にどうやって使えばいいの?
なんとなくは理解したけど、、、などまだ不安点はあると思います。
そこでもっとわかりやすくリアルな日常会話でそのまま使える便利なフレーズをシーン別にご紹介します。
①仕事やビジネス
I take pride in my work.
自分の仕事に誇りを持っています (= いつも手を抜かずに取り組んでいます)
We take pride in our customer service.
私たちのカスタマーサービスには、強いこだわりとリスペクトを持っています
自分の仕事に対して、嫌味なく「信頼感」や「プロ意識」を伝えたいときに最適です。
②プライベートや地元の文化について
I take pride in my car.
自分の車には、ものすごいこだわりと愛着を持っています (= いつもピカピカに洗車して、大切に乗っている)
We take pride in our community.
私たちは、自分たちのコミュニティに強い愛着とリスペクトを持っています
単に「好き」というレベルを超えて、「人生の一部として大切にしている」という深い愛着を伝えることができます。
❌ 注意!こういう時は使わないほうがいい
ここまで読んできて気づき始めてきたかもしれませんが、
take pride in は自分の「努力・こだわり・責任」がセットになっている言葉です。
そのため、自分の「手」や「心」が入っていないものに使うと、ものすごく不自然になってしまいます。
⚠️ NG例
友達がお店で買ってきた美味しいケーキを食べて……
❌ I take pride in this cake.
これだと、「私は何もしてない(作っても買ってもいない)のに、
なぜか自分が偉そうに手柄を主張している」ように聞こえてしまい、まさに「プライドが高い」だったり、横柄に聞こえてしまって勘違いされてしまいます。
この場合は素直に “I love this cake!”と言えば100点満点です。笑
まとめ
今回は、『エミリー、パリへ行く』のセリフから、教科書だけでは見えてこない We take a lot of pride. のニュアンスを解説してみました。
Emilyのこの言葉は、「自分たちが大切にしてきた文化への深い愛着とリスペクト」を伝える表現でした。
自分が愛しているもの、一生懸命手をかけているものを「大切だ」と胸を張って言える。
そんな芯のある素敵な英語表現をぜひあなたの日常会話の中でも使ってみてくださいね。

